がんを宣告、そのあとにたどり着く先は

がんを宣告される、誰にとっても迎えたくない嫌な体験です。この言葉を聞くと誰もが落ち込み、その後の人生が急に見えなくなって絶望します。今、まさに悩んでいる人がいたら、このメッセージを届けたい。

多くのがんを体験した友人と出会い、時間を共にする中で長くがんと共に生き続ける友人もいれば、亡くなる友人もいます。人生の進む道が異なったとしても、必ず皆さんがたどり着く状態があることを私は知っています。

感情の変化の日々

がんを宣告されたときに出てくる言葉、「やっぱり...(受容)」「まさか...(驚き)」「なんで私が...(怒り)」。がんに対するイメージが違うので、がんと宣告されたときの感情はさまざまです。がんと向き合う中では、日々、いやいやもっと短いスパンで感情が目まぐるしく変わるので、急に怒り出したり、泣き出したり、急に笑い出したり、情緒不安定な時期が続きます。

この状態を悪いことと捉えがちですが、この時期はとても大切です。自分で受け入れられない現実に出会ったとき、自分の心でなんとかそれを受け止めて順応するために心と体が反応しているだけです。この時期の自分を責める必要はなくて、むしろ正常な反応だと不安定な自分を認めてあげてください。

知識だけでは解決できない

不安定な感情の長さやどの感情に長くとどまるかは人によって違います。何年も外に出られないぐらい不安になっていたり、中には10年が経過してもずっと怒りの感情を持ったままトゲトゲしながら生き続けている人もいます。そういう人は医療や病気だけではなく、家族や日常の様々な出来事に対して不満をぶつけてがちなので、徐々に孤独な時間が増えてメンタル面の悩みを抱えるケースにつながります。

 

がんに出会う前から頭では分かっていたとしても、知識だけでは解決できないもの、実際にがんと出会い、それまでは自分の鎧で守られてきた「生きる」ということに剥き出しの感情で向き合うのはそれほど難しいことです。

誰もがたどり着く状態

がんと出会い、感情の変化の日々を送りながらも、最後に必ずたどり着く状態、それは自然体です。怒りも悲しみも飲み込んで、毎日を一生懸命生きている。笑ったり、悲しんだり、がんに出会う前の健常な頃を同じ、周囲の人とも変わらない。でも、みんな生きる理由を知っているので、周りの人と比べるとキラキラ命が輝いています。

多くの体験者と出会い、その経過を共にすることでこれが必然であると気づきました。がんの状態によってその後の時間の長さが違いますが、必ずだれもがそこに到達します。あきらめなのか、開き直りなのか、そんなことはどうでもいい、理屈を超えたものがあるから、誰もがたどり着ける状態なんです。

もし、がんと出会い、向き合うことに悩んでいる人がいたら、何も焦らなくていい。感情に無理に蓋をしたり、無理に忘れようとしなくても今の苦しみは、いろいろなきっかけと出会うことでいつかきっと変わるから。

健康サポーターは対話を通じて、生きづらさを抱えている方が自然体になるためのお手伝いをしています。