医師 久富先生が語る医療、医療コンサルタントの仕事の魅力Ⅱ

5/13に開催した「第5回医療ドリプラ座談会」の中のインタビューの様子です。

 

<訪問医の領域へ>

 

先生がずっと大学病院でお勤めになって、訪問の領域に移られたのは、どういう想いがあったのですか?

 

大学病院の後に埼玉の病院で働いていて、市中病院だったので高齢の方が多かったんですよね、そこでおじいさん、おばあさんの治療ってこれでいいのかなと思って、そこで老年医学に興味を持ち始めて、プラス老年医学で大切なのは看取りの方法ですよね。看取りとなったら在宅という所があって、それで在宅の方に行ったって感じです。段階としては血液内科があって、老年医学があって、在宅医学って流れですかね。興味が高齢者への医療って方に移った感じですかね。

 

興味が移っていかれる先生って多いですか?

 

いや~どうですかね、いなくはないですよ。在宅にきている僕の周りの先生は、だいたいどこかで老年医学が頭にはいってきて、在宅はスゴイ患者さんを含めて家族とかなり親密になるので、そういうのがやりたい先生ってのが結構多かったりして、それで来ている先生も多いですよね。

 

病院だと、病気を治療して治して元の生活に戻すってのと比べると、在宅は少し方向性が違いますか?

 

支える方ですよね。埼玉の病院で老年医学で高齢者の方を中心に診させてもらっていて、そこで支えるって方向は培われたかなって思いますね。何でもかんでも良くしなきゃって、それはそれで大切なことなんですけど、もしかしたら高齢者の方はそれをあんまり求めていないかもしれないってのがあるを知ることができたので埼玉の病院で学べて良かったかなと思います。

 

 

看取りって我々からするとなかなか今親しみがないというか、おじいちゃん、おばあちゃんと同居をしていなかったりするので、近くに感じることが少なかったりするんですけど、実際にやっててよかったな~みたいなエピソードはありますか?

 

おじいちゃんとずっとそこで過ごしたから自宅で最期を迎えたいというお婆ちゃんがいたのですが、凄い理解がある娘さんがいて、「じゃーそれでやりましょう」てとなった時に、病院のスタッフさんとかも「その方向で」みたいな感じになって、病院側の協力ももちろんあって、在宅側の私を始めヘルパーさんとかPTさんも「じゃーそれで頑張りましょう」ってまさにチームが結成できたんですよね。その時は看護師さんとPTさんが頑張ってくれて、意識はあったんですけど、ほぼ寝たきりでおうちに戻ってこられたんですけど、ちょっとリハビリを頑張ってくれて、お小水の管は入っていたんですけど、ベッドサイドにポータブルトイレをおいて、自力でトイレができるまでになって、

 

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それはスゴイですね

 

カロリーはあまりとれていないんですけど、ご飯が多少食べられるようになったので点滴とお小水の管が抜けて、なんにも管がない状況までお家で回復して。結局はがんが進行して半年後ぐらいに亡くなったんですけど、結果的にはご家族も、本人もおうちに戻って来られて本当に良かったとずっと話してくれていたし、ご家族としても、亡くなっているんで不謹慎化もしれないですが、凄く満足な終わりだったと言ってくれて、もちろん大変部分はたくさんあったんですけど、達成感はすごかったですね。在宅をやっているとそういう所に対してやりがいを感じます。治すというより支えていかに最後を迎えてもらうかってところですかね。たぶんそこに重きを置いているのかな。

 

やっぱりそういうところがやりがいですか?

 

そうですね。在宅の場合は、ご本人以外の要素が非常に大きいんですよ。本人の意向に沿うって言うのは簡単なんですよ、でも実際にやってみるとなかなかそうもいかないみたいなことが多いですよね

 

これからは自宅での看取りとか、どう最後を迎えるかを我々も考えなくてはいけなくなったときに、そういう風に向き合ってくれているドクターがいらっしゃることは頼もしいですね。

 

必ず人間は死ぬので、いかに死ぬか、最近はquality of death「質の良い終わり」っていうのがだいぶ意識され始めてきたので、もっと浸透すればいいな~と思っているんですよ。日本ではもう1歩2歩って感じですけど。その方向にいけば非常にいいなと思っているんですよ。

 

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